……system memory check......ok
……core unit check......ok
……body unit check......ok
……CSC #1 check......ok
……CSC #2 check......ok
……CSC #3 check......ok
……type:DOG "HOW LING"......loading......ok
……operation system boot......
犬型ハウリン 『ヒビキ』 起動します。
「………あれ?」
「この、格好……。腕も、こんなに長い?」
「……ん?」
「あなたは、だぁれ?」
「わたし、珠」
「あなたはケースから出してもらえないの?」
「出してもらわないの」
「マスター、わたしたちフィギュアのこと、大好きですよ。ちょっとエッチですけど……言ったら、出してくれるんじゃないですか?」
「ううん。これからわたし、立川の近くに帰れるの」
「たちかわ?」
「わたしの生まれた街。わたしが、護るべき街」
「ここじゃ、ないんですか?」
「ええ。そこに、わたしを必要としてくれている人がいるんですって」
「そうなんですか……」
「あれ……? なんだか、眠く…………」
「バッテリーが少ないんでしょう。無理せず、休んでください」
「……はい、ごめん……なさい……くぅ………」
あれ? 起動してたんだ。
「準備はしてくださいました?」
ちょうど、君の姉妹の梱包材があったから、それで何とかね。
ちょっとの間真っ暗になるけど、ゴメンね。
「大丈夫です。それから……」
なに? 出来ることなら、するけど……。
「彼女達のこと、大切にしてあげてくださいませね」
……うん。
「ん………・」
あ、おはよ。
「あれ? マスター」
どうしたの?
「いえ……何だか、不思議な夢を見たような……」
どんな夢?
「良く覚えてないんですけど……すいません」
いいよ。また思い出したら、聞かせてくれる?
「……はいっ」